fc2ブログ

柱の選定

今日はTamu-houseの居間の中心に建つ柱を見に大館の県北木材センターへ行ってきました。太さが5寸長さが4mが設計で指定したものですが、なかなかこれといったものが見つからず、結局太さ4寸5分のものを候補としました。
tamuhasira1.jpg

秋田杉は通常山で3.65mに切られてしまいますので、なかなか4mのものはないのです。しかも乾燥していて節が少なく綺麗な目のものとなると。
今回は居間の中心に4面とも見える状態になりますので、4面とも節が少なく目の綺麗なものが求められます。
1面無節、2面無節などはありますが、4面となるとちょっとなかなかありません。しかも5寸。あったとしても金額は途方もなく高くなっていきます。
構造材で使う4寸の節のある芯持ちの並材は節の多い少ないは関係なく1本2~3千円程度ですが、このように節の少ないもの(役物といいます)となると、途端に1本数万円になります。一挙に10倍も値段が違うのです。しかも一本一本値段が違います。ですのでこのように実際に見てきめなくてはならないのです。
県北木材センターには秋田杉をはじめとする様々な木があります。30cm角の大黒柱に使えそうなものから、巾1m長さ2m厚さ10cmぐらいの大きな1枚板などもあります。「白沢の家」では床の間の地板にここの大きな杉板を使用しました。
スポンサーサイト



テーブルの塗装

今日は家の窓拭きや汚くなったソファのカバーの洗濯などをやった。そして思いついて食卓テーブルの塗装を試みた。テーブルはブナで出来たもので、この家が建った時に買ったので11年になる。弘前で木工房をやってる大湯さんという方が造ったものだ。
これが塗装前table01.jpg

汚れが目立ってきている。
全面にサンドペーパーをかけるが汚れは全部とれない。もっと粗いペーパーからしっかりかければもっと綺麗になるかもしれないが、たいへんなので適当なところでやめといた。
塗ったのは秋田県の角館で造っている昇華ワックスという植物性のものだ。実はサンプルでもらったものを自分のテーブルで試したのだ。これがサンドペーパーをかけたところ。テーブルの上に乗っているのがワックス。固形で車のワックスとおなじ要領で塗る。
table02.jpg


そして

table03.jpg

これが塗り上がり。汚れは目立たなくなったがそれほど劇的な変化というものでもない。子供に綺麗になっただろと言ったが、「ふ~ん、そうね」で終わった。ナチュラルでいいと言えばいいのだが、もう少し艶がほしい気がする。もう一度ぬればもう少しよくなるかもしれないが、2回塗る場合は12時間置くことになっているので、今日は塗れない。
でも手触りはしっとりしていい感じ。明日時間が合ったらもう一度塗ってみよう。

こういう無垢の物はこうやって手入れをすればある程度よみがえるが、メラミン化粧板などで出来たものはこうはいかない。もっとももっと長く手入れなしで変わらない姿でいるのだが、しかし味気ない。触った感じがまるで違う。多少手入れで手間がかかったほうが愛着が沸くというものだ。

Tamu-House

昨日ようやくTamu-Houseの図面を工務店に渡し見積もり依頼する。ずいぶん時間がかかってしまった。今回は新人の太田君を担当者にし、すべての図面を描かせた。図面を描くということは当然考えることに繋がる。もちろんプランや基本的なこと、細かなデティールなど最終的にほとんどこちらの指示になってしまうが、しかし考えて描かせることが今後に繋がるだろう。Tamu-Houseは当事務所の初めてのQ値1w(ワット)を切る住宅だ。これは以前設計中の物件としてだしていたものだが、Q値1Wということは床面積150平方メートルの家だとこの辺の冬の最低気温から4500wぐらいの熱量が得られる暖房があれば十分となる。この暖房で悩んだ。せっかく断熱性能にお金を掛けるのだから、その分暖房設備費を安くするため配管は行なわないで出来ないかとの思いが強かった。結局電気の蓄熱暖房機と電気のパネルヒーターの組み合わせとした。これには皆(オール電荷推進のエルクやパネルヒーター推進のメーカーPS等)??…いいのか という反応だ。施主の生活スタイルを読んでの判断だがどうなるか。まあ熱的にはよっぽど施工が悪くなければ十分のはずだが。
着工は5月の連休明けの予定。金額が折り合えばの話だが。

雪が降った。今日4月20日に。もうびっくり。
060420yuki.jpg

夕方鹿角方面へ向かうR103号線から見た景色です。白い雪で覆われとてももうすぐ5月には見えない。これも温暖化の影響なのかな~。
タイヤまだスタッドレスのままだったので安心でした。

窓2

前回4間通しの窓のある住宅の計画の話を書いたが、今年1月完成の喫茶店「大館珈琲館」では3間通しの窓をつけていた。その窓を今日初めて開けてみた。なにしろ真冬に出来たのでいままで開けれなかったのだ。oodatecagfe4141.jpg

巾が1間x高さ2.1mの建具が3枚。引き込まれるとじつに爽快な感じだった。内部がほとんど外のような感じになりオープンテラスといった趣に変身する。
外から見るとoodatecafe4142.jpg
こんな感じ。まだ手前の植栽が出来ていないので砂利のままだが、芝が植わるとさらに良くなると思う。本当は手前の芝の部分と内部の床の高さを近づけて、中外の一体感を出したいのだが、なにしろ積雪地である。屋根から落ちてきた雪でガラスが割れないとも限らないので、基礎を高くするしかない。雪国の悲しさだ。庇をもっと出せば雪害は防げるのだがそうするとこんどは室内が暗くなるし、手前の駐車スペースも問題になってくるので(屋根から落ちた雪が駐車スペースまで埋め尽くしかねない)そのせめぎ合いで軒の出が決まってくる。
窓が開いた状態と閉めた状態を比べるとこんな感じ。
oodate4144.jpg

oodatecafe4143.jpg


右が喫茶店入り口左が音楽教室と住宅の入り口である。

設計に取り入れる窓の大きさがだんだん大きくなってくる。だいだい昔から大きい窓が好みだったが、窓が大きいと当然熱もガンガン逃げていくので、性能のいい建具とガラスが必要になってくる。いわゆる高性能サッシだが、これが高い。半端でなく高い。
今プランしている住宅で4間全部がスカッと開いてしまうことを考えているが、いつもお願いしている木製サッシメーカーにざっと見積もってもらったら、なんと100万近い値段がでてきた。
巾4間といえば7.2m。南に面して外との接点である窓がすべて壁に引き込まれて無くなったら、気持ちいいだろうなとの思いだ。
それにしても高すぎる。サッシ一つで1000ccクラスの新車が買えてしまいそう。

しかし、最近の建築雑誌に載る住宅は窓だらけの家が多い。今月の新建築住宅特集に載っている手塚建築研究所のなんか、なんと建物の周囲三方が全部窓だ。床から天井までの。
細長い建物で巾30mぐらいx奥行き6.5mの三方だから66.5m全部窓という途方もない住宅だ。積雪寒冷地じゃちょっと出来ない建物だな。建築家のコンセプトは理解出来るが、実際そこで生活する方にとってどうなのか、ちょっと疑問?
だって、すべての建具が開け放つことが出来て、開けたら寝室から、風呂からトイレから全部丸見えになるんだよ。それに途方もないお金を掛けているんだから。
でも建て主さんも建築家の提案に乗って面白がってるかもしれないし、ぜひ現地に見に行って、建て主さんから話を聞きたいところだが、岡山じゃ無理だな。
だいたい、こんな能天気な住宅が多いのは岡山広島辺りだ。気候がいいと人まで‥‥かな。

ところで、今回窓と表現したが、窓と言うとなんか床からの建具じゃなくて腰壁がある物を想像してしまう節があるように思うのだがどうだろう。でもじゃあ床からの建具はなんて言うか、よく分からないので、すべて窓と表現した。とりあえず外壁に着いている建具を窓と考える。

窓というとWindow。ぼくの使っているのはMac。なんのこっちゃ。

接着剤

いまどきの建築で接着剤を使わないで建てるなんてことは殆どありえない。昨年建った「白沢の家」 は伝統木構法で金物を使わないで建てたが、大工さんはあらゆるところで接着剤を使っていた。床を張る時、鴨居の取り付け等々。
クロスは使用せず、左官と大工で造る住宅にして、接着剤をほとんど使わない建物のつもりだったが、結果は思いも寄らぬほど使用された。
大工さんに「やめれ!」とは言えなかった。それは、殆どお目にかかることのなくなった伝統構法をやり遂げるだけのベテランの大工さんが、必要を感じて使用しているのを、こちらの観念論だけで使用を禁ずるのを憚ったから。

おれは基本的に木は無垢で使いたいと思っている。その理由の一つとして、破棄される時どうなるかが不明瞭だから。無垢の木だったら焚き火で燃やそうが、チップにして別のモノに変身させるのだって、特に問題はない。しかし接着剤がついていたらそうはいかない。

集成材の柱を造っている方に廃棄する時の対策はと聞いたことがあるが、「そんなこと、…壁紙だってなんだって接着剤使ってるじゃないか、あたりまえのことだ」と答えになっていなかった。

また、「大茂内の家」 は築130年の古民家改修だったが、ここでも担当した大工さんは接着剤をガンガン使っていた。白沢の家とは違う大工さんだが、やはりベテランである。ここでは、古い床板や壁板を接着剤を使って張った為、収縮の変化についていけず、割れたりした。接着剤を使っていなければ、板と板の間が空いただけで済んだはずだ。

現在の大工さんは、接着剤なしではとても不安で工事ができなくなってしまったのだと思う。そうさせたのはこれまでの施主さんだろう。ちょっと床がギ~となってもクレームにしてたんじゃないかな。

その結果、接着剤→ホルムアルデヒド→シックハウスへの道を歩んだような気がする。もちろん接着剤だけがシックハウスの原因ではない。しかし、現在使われている接着剤もその成分はよく分からないし、絶対安心だとも言えない気がする。

だいたい、何にでも接着剤が使われすぎる気がするのはおれだけか?食料を買ってきても、野菜を包んでるラップも最後にセロテープで止めてあるし、納豆だって豆腐だって包装に接着剤がついてて、これが強力でなかなか取れなくていらいらしたりする。

包装する側は便利でいいかもしれないが、使う側は決して便利じゃない。

昨日の続きじゃないが、ちょっと戻ってみるのもいいかも。
接着剤だけでなやんでる私でした。

大学進学と地球環境

ブログちょっと休んでるとあっという間に一週間が過ぎている。なんと時間の経つのが早いこと。
今日は日曜日。ひさびさにほんと久々にのんびりした。掃除や部屋の片づけや、大きいものの洗濯や住宅のプランのまとめや、やることはいろいろあったが、なんか疲れて、買い物に出かけてあとは本を読んで、うとうととして過ごした。

読んだ本は「タダで大学を卒業させる方法」吉本康永著とGAの素材空間「木」だ。大学の学費はほんとうに高額になった。おれたちのころは私立理系でも学費が30万程度だったような気がする。今は国立でも53万程度で入学金を合わせると初年度82万以上である。そして学費より高額になったのが生活費だ。近くに大学がない地方に住んでいると、どうしても自宅からかようと言うわけにはいかない。

とてもじゃないが、我が家の家計ではまともには大学にやれない。しかし、娘は行くつもりだ。そこで前述の本である。本の内容は結局成績優秀で国立に入って奨学金を受け、国民金融公庫から借りて、寮に入って、アルバイトで凌げである。裏技なんかあるはずもない。

もう一冊のGAの素材空間「木」では、石田秀輝さんという方の巻頭インタビューが面白かった。地球が出来てから今までを1年に換算すると人類誕生が大晦日の19時過ぎで、産業革命は除夜の鐘が鳴る2秒まえだそうだ。つまり、人間は産業革命以後地球環境というものにダメージを与え続けたのだがそれは除夜の鐘が鳴るまでのほんの一瞬にして行なったことになり、そして地球時間で考えると残り僅か0.8秒しかないという。なんとも恐ろしい、そしてなんとかしなくてはと思わされる話である。

人間は一度得た快適性などはもとに戻すことが出来ないものらしいが、しかし、もどってみることも必要な気がする。って自分が出来るかはなはだ自信がないが。

なんとかしなくては!

建築雑誌

久々に本を見る。「読む」というより見るが近い。毎月取ってる新建築住宅特集という雑誌だ。毎日仕事と家事におわれて本を読む暇もない。からブログ更新もときどきなのだが。
しかし、このような雑誌に登場する住宅のロケーションのいいこと、単価が高そうなこと。
田舎じゃあ望むべくもないな。田舎の場合予算があったら面積増へと進む。何しろ敷地が広いから。気持ちは分かるが、設計屋としては……愚痴をいってもしょうがない。

で建築雑誌だが、おれが建築の教科書にしたのはこれらの雑誌だといってもいいぐらい。
大学は工業意匠科だったので車のデザインやビジュアルのデザインなども単位になっているようなところで、建築科ではなかった。

だからというわけではないが、建築について最も学んだと思えるのは、修行時代勤めていた設計事務所で暇だった時に読みあさった建築雑誌だった。
ここで言う建築というのは、法規や、構造や技術のことではない。この説明は大変難しいが、超簡単に言い切ってしまうと建築家の造る建物と一般の大工、工務店の建てる建物の違いは何か?これは、見る人が見れば歴然と違って、つまりそれが建築になってる建築で、それを学ぼうと一生懸命読んだのが建築雑誌だったわけだ。
あのときは、ほんとうに読んだ。しつこいが、この読むも、たんに文章を読むのではなく、写真やPLAN、そして文章から「何をデザインしたのか」をほんとうに一生懸命読みこんだ。
それが今の自分をつくっている。

今はそんなこともなくなってきているが、しかし、実物をなかなか見に行けない身では、本や雑誌で、マンネリ化しつつある自分にハッとさせられて、これじゃいかんと、発破をかけてくれる。