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やっぱり木造で家をつくるなら国産材だ

時々見る木のサイトでこんな紹介がありました。
一目瞭然、木造住宅を造るなら国産材に限ります。アトリエ105の設計ではいつも地元のスギを使用しています。これを見たらもうホワイトウッドの集成材では建てる気にならないでしょう。
そのサイトはこちら
建て主さんも施工者任せではなく、うちに使う木はなにって聞いた方がいいですよ。

これもっと早く知ってたら、27日の住まいづくりセミナーで話したのにな。でも記事になったのが29日だから無理だったけど。

おかげさまで、27日のセミナー無事講師役を務めさせていただきました。「住宅の素材」という少々抽象的な話題で、何を言わんとしたか判っていただけたかちょっと不安ですが、皆さん真剣に聞いてくださいました。
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黄色い屋根

昨日の花岡平和記念館です。黄色い屋根が出現しました。黄色い屋根の正体はグラスウールです。この建物では通常と違って、野地板の上に断熱材のグラスウールがあります。この上に防水紙のアスファルトルーフィングが敷かれます。

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左側は野地板の上に高密度のグラスウールを敷いた状態で、右側がその上に防水紙を敷いた状態です。
こんな工事はグラスウールに水を吸ってしまうとオシマイなので晴れた日に一日でやらなければなりません。ここ三日程晴れが続いていますのでもってこいの天気でした。
たぶんあっというまに、この上に屋根のトタンが出来上がるでしょう。白く光る屋根が。

住まいづくり学習塾のお知らせ

6月27日に秋田市土崎で「住まいnet秋田」主催のセミナーがおこなわれ、私も前半担当させていただきます。スケジュール等は下記のようになっています。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 日時:2009年6月27日(土)午後1時30分~
 
 場所:秋田県秋田市土崎港西3丁目9-15
     チャレンジオフィスあきた 3F 大会議室

 スケジュール-------------------------------------------
 13:30~13:40 主催者挨拶
 13:40~14:30「住宅の素材」
         アトリエ105 鳥潟 宏一様
         質疑応答 10分程度   
 (休憩10分)
 14:50~15:40「10年先のエコ住宅~環境先進国ドイツとの違い~」
         有限会社さとう美装建設  佐藤欣裕様
         質疑応答 10分程度 
 (休憩10分)
 16:00~16:20「エクステリア計画について」
         カントリーガーデン  
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

5月初めにオファーがあって、家を建てる前に知っておいてもらいたいことをとの依頼でした。それは多分一杯あるんだろうけど、なんか思いつかなくて。
ちょうどその頃、林野庁で地域型住宅づくりをするグループに補助金を出すというのがあって、それに我々「近くの山の木で家をつくる会・大館」でも応募しようという事になり、じゃあ何をもって地域型住宅というんだろうかと考えていて、それは基本的にはその地域で産出される素材で造られる家なのではないかな・・・・などと思っていたので、ついセミナーのタイトルを「住宅の素材」なんて言っちゃって、さて、何を話そうか、全く今のところ未定です。・・どうなることやら。  なんて言うと、誰も来なくなっちゃうな。
まあ、訳知り顔にこちらから話す一方じゃなくて、皆で考えましょうよ。考えた方が身に付くと思いますよ。 ・・・ということで。当日時間がありましたらどうぞいらしてみてください。

どうでもいいことだけど

いつのころからか、このブログの下に広告が出るようになった。決して広告収入を狙って自分でセッティングしたわけではないんです。だから今まで見向きもしなかったけど、今日のを見たら変なことを書いてる。「デザイン住宅を建てる  デザイン住宅の施工が得意な建築家を探そう」・・・・建築家はフツウ施工しないでしょう。もちろん施工会社に所属する建築家もいますよ。ゼネコンの設計部には優れた建築家は沢山います。でも決して施工が得意なはずはない。設計が得意なはず。建築家は例え施工会社に所属していても、施工のためではなく施主や社会に満足していただくために、自由に発想するものじゃないのかな。
そもそもデザイン住宅ってなに? こういううすっぺらな言葉に惑わされませんように。
あ、広告はたぶん自動的に配置されるので、かならずしも同じ広告が出るものではないと思います、念のため。

柱、梁組

昨日から柱立てが始まり、少しずつ全体像が見えて来ました。この建物は土台を除くほとんどすべての構造体が秋田スギです。14日に見たような山から切り出されたスギが使われています。
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写真 下は 天井が高くなるホールの部分です。天井を高くするために登り梁でもちあげています。
一番上の棟木はサイズが巾15cm高さが40cm長さは7.2mのもある大きなものです。この登り梁や棟木など、この建物では天井を張らないので(つまり天井がない)みんな見えて来ます。だから、この状態がもう仕上がりと同じなのです。だから大工さんは木を使うだけでなく気も使うことになります。なんちゃって!

木工事はじまる

花岡平和記念館の木工事が始まりました。昨日から土台を敷いて、床組も進行しています。明日から柱を建てて行く予定です。

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床下はいまどきめずらしく防湿シートに砂抑えです。床束を受けるのは束石です。ちかごろは床下全面にコンクリートを打ち込むのがほとんどだと思いますが、あえて今回は古い方法で設計しました。一番の理由はコストです。60数坪の平屋の建物ですがこの床下全面にコンクリートを打設するとそれだけで100万円にもなってしまいます。ここでは今敷かれている大引の上に根太もなく直接3cm厚のスギの床材を張ります。これで相当なローコスト化が可能でした。でもなぜそれが可能化というと、この施設の使用環境にあります。おそらく冬はほとんど使われることはないだろうと思われ、断熱材もなしです。もし冬も使われ暖房をしなければならないとなると、床断熱(床下に断熱材をいれる)より基礎断熱(布基礎の回りに断熱材を貼付ける)のほうが、コスト的に有利になり、そうなると床下を密閉しなければならない → 床下全面コンクリートとなるわけです。

また、コンクリートは解体する時は相当エネルギーを使いますし、コストもかかってしまいます。この建物もいずれは解体の時がやって来ます。(できれば100年200年と後世にこの出来事を伝えて行ってほしいと願って設計したつもりですが)その時のことを考えても、やたらコンクリートの量は増やさない方が賢明であり、エコだと考えました。

山の木

昨日14日は実家のある地域の造林組合の集まりがあり山に行ってきた。私にとっては初めての経験でした。この造林組合は地域ごと(当地では部落といいます)に組織されているらしく、実家のある本郷下部落の造林組合だけで約9町歩あるそうです。9町歩は約9ha(ヘクタール)ということで、結構広いらしい。といってもまったく見当もつかない広さ加減ですが。その中を部落共有部分と個人分けしたところがあって、それぞれ管理しているとのこと。今回は現状説明と場所の確認のための集まりだった。

組合員皆で山を歩く。ここは駐車場から近いけど、実際は山道を相当歩いた。普段机の前でパソコンばっかり見ている人間には大変だった。
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この田舎では回りを見渡せば山ばかりで、普段見慣れていても実際に山に入ることは滅多にない。入ってみると上の写真のように道路などそれなりに整備されていて、きちんと管理されているんだなと思った。
でも、場所により、管理の仕方により随分生育に違いが出ることも判った。
こちらは管理もあまりなされていないようでそのせいか、あるいは土壌が悪いせいか、細いスギばっかりが密生。
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対してこちらは、すぐ近くなのだけど太くスッキリしている。間伐もよくおこなわれているようす。
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しかし、全体的には思った以上に間伐が行なわれていてよく管理されているなあとの印象を持っちました。
私の設計では地産地消を目標に地元のスギを多用していますが、このようにきちんと管理されてこそ使えるスギになるんだということを今回学ばさせていただき、また、いろいろな人達が山を大事にして守って来ていたということも学ばさせていただきました。

午前中だけでしたが、天気も良く気持ちのい山歩きでした。疲れましたが・・・・

車を車検に出しました。平成8年車のホンダステップワゴンです。本当はプリウスやインサイトなどの燃費のいい車に替えたかったのですが、いかんとも先立つものが限りなく心細く、しかたなくもう1回車検を取るつもりで整備工場に出しました。
ところが、なんと というかやっぱりというか、あちこち相当痛んでいて、それを直すのに驚くような金額が見積もられ、それだったら安い中古車を買った方がいいということになり、急遽買いました。なににしたかというと、プリウスです。古~い初期型のやつ。デザイン的にはいまいち気に入ってはいないのですが、でも現行のプリウスのデザインも実はあまりいいとは思えなくて、まだ初期型の方がエコカーっぽくてマシに感じています。
しかし、現在では中古車はネットで買うらしく、その整備工場のネットで見て購入を決めたのですが、ものを見ないで数十万の買い物をするなんて相当怖い買い物の仕方だなとつくづく思います。今回は色々事情があって余りに時間的余裕がなく、なにしろ元のステップワゴンは整備工場に入れた次の日には車検が切れてしまっていて、そこから出すことも出来なくてあわてて購入を決めてしまったのですが、毎日使う車ですのでもう少しいろいろ見てみたかったというのが本音です。買った車は現在栃木からこちらに向かって陸送中のようです。

ところで、ものを見ないで買う最も高額な買い物はやっぱり住宅でしょう。だから、展示場を見て、と思うかもしれませんが、非常に限られた選択しか出来なくなってしまいます。車と違って家は一品製作ですのでデザインも性能も自由気ままです。自由に自分だけの家づくりをしたいと思ったら、設計事務所を・・・アトリエ105を活用してください。

ある建築

少々・・いやかなり重いテーマの建築です。私の生まれ故郷、そして実家のすぐ近く、さらには妻が眠るお墓から見下ろせる位置に建つ重いテーマの建築がすでに着工しもうすぐ建て方が始まります。重い過去をいつまでも引きずる、悲惨な過去があり、その悲惨さを未来にも語りかけていくための建物です。広島や長崎など被害者の立場での施設はよくあります。しかし、ここに建つのは全く逆の加害者の立場での施設です。決して地元には歓迎されない、過去を消してしまいたい、それなのに、そのことを伝えて行くための施設、その設計者になりました。
この不況の時、仕事があればいいと引き受けたものではありません。建設費も設計費も全国から集められた寄付金でまかなわれますので、相当きびしいものがあります。それでも引き受けたのは、チャチなものや目障りなものは建ってほしくない、そんな思いからです。

厳しい予算ですが、偽物は使いたくない。木風なサイディングや木風なドアなど現在の建築では偽物で造るのがあたりまえのように使われていますが、出来るだけ本物で行きたい。それでいて安く上げるために、必要なものを見極めるのに 苦闘しました。

花岡平和記念館は今秋完成に向けて現在大工さんが手刻みで加工中です。
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世界の名作住宅

我々の世代の建築屋にとって近代建築あるいはモダン建築を創ったとして最も有名なのはコルビジェ。そのコルビジェのなかでもサヴォア邸は最高傑作として名高い。近代建築五原則、「ピロティ」「屋上庭園」「自由な立面」「水平連続窓」「自由な平面」が実現されているということで、業界では最大級の賛辞がある。
そしてもう一つの名作住宅、リートフェルトのシュレーダー邸。今でもどちらも話題らしくリートフェルトの建築という本がこの春出された。1ヶ月程前にその本とついでに(ついでといっちゃ申し訳ないが)コルビジェのサヴォア邸の本も買った。

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実は個人的にはサヴォア邸のよさがよく分からん。といってもなにしろどっちも実物見てないんで(フランスとオランダじゃ見に行けない!)写真からの判断でしかないのがなんともなさけないが。専門筋では圧倒的にコル(コルビジェ)で、かの安藤忠雄もコルコルといってる。確かにシュレーダー邸にはピロティーも水平窓も屋上庭園など近代建築五原則がない。けどこの五原則を提唱したのはコルビジェじゃなかったの? ・・・やっぱりどっちも実際見てみたい。見て空間を体験してみないとわからん。が、ビンボー設計屋には無理な話だな。

実は学生の頃はシュレーダー邸がいいと思っていた。もしかしたら以前にもそんなことこのブログで書いたような気がするが。
実際現在の日本のモダン建築として表現される薄くフラットな屋根などは既にこのシュレーダー邸にあるし、リートフェルトの他の作品も実に洗練されていて今更ながらその先駆性に恐れ入った。

ちなみにコルビジェとリートフェルトはほとんど同じ時期の建築家でコル1887~1965、リートフェルト1888~1964。サヴォア邸1931年完成。シュレーダー邸はその7年前の1924年完成。シュレーダー邸は2000年世界遺産に指定。サヴォア邸今だ登録になっていない。・・・はず。でも、コルビジェの作品は日本の国立西洋美術館を含めて一挙に世界遺産に登録されるかも。