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花岡平和記念館

昨年の9月末に建物は完成していた記念館が4月17日オープンしました。その直前にずっと以前から中国大使館に依頼してあった館名板に使う文字(毛筆で書かれたもの)がようやく送られて来ました。それをスキャンしてその通りに鉄の板を切って館名板にしました。
その名板を27日に取り付けました。これでようやくすべて完成です。

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この名板は5mmのコールテン鋼という鉄で出来ています。コールテン鋼は耐候性鋼とよばれ錆の発生によって酸化皮膜が形成され錆が進まない特徴があります。なので、現在は濃いグレイ色をしていますが、数ヶ月で錆色(茶褐色)になるのではと思っています。
ただ、その途中段階でどの程度壁面や床に錆が流れるのかがいまいち読めないので、ちょっと不安だったりもしています。

この建物は全体が素材そのままで使われているので、経年変化が大きく、時には汚らしく見えるかもしれません。でもウソの材料を使って建てたくはなかったのです。ウソの材料とは例えば木の模様をしたサイディングなどです。十数年かけて風景にとけ込むしっとりとした色合いになってくれないかなと、そんな思いで設計しました。
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山桜

家の南側にある山桜がようさく咲きました。昨年は4月19日、その前は4月16日でそれから比べるとだいぶ遅い開花です。2006年はもっと遅くて5月3日でした。

2階のルーフウインドウから9時ごろ撮影。
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今日は大館市恒例の山田記念マラソンですが、残念な事に雨になってしまいました。11時ごろ町の中を車で走っていたら雨でずぶぬれになった選手達が走っていました。コース上にいる大会関係者もみんなずぶぬれです。
ゴールデンウイーク初日から雨でほんと今年の天気は寒く雨ばっかしです。

午後からは知り合いの工務店の花見で・・といっても桜も花も全くないところでですが・・寒い中お昼から酒盛りです。この雨をよんだように屋根のある作業場での花見なのでその点だけは段取り成功ですね。

麺工房うらしま

3月始めから改修工事をしていたお店が明日オープンします。今日は工事関係者や金融機関、従業員の家族さん等を招待してのプレオープンです。

手打ち風さぬきうどんを食べてみませんか。 場所はこちら

セルフサービスです。

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富弘美術館 2

富弘美術館の続きです。

内部はすべて円形の室ですが、外部は真四角です。外壁の素材も様々でガラスあり、石あり、木あり、鋼板ありと変化に富んでいます。それらがすべてシャープに納まってます。

下の写真のグレーの部分は機械室でRC(鉄筋コンクリート)のはずです。でもその上に鋼板を張って納めています。お金をかけてまでそうした理由は勝手な推理ですが、中央の黒ずんだところ。ここは空調の排気か給気の取り入れ口と思われますが、そこも超コダワリで小さな穴から少し大きな穴を開けています。その配列に工夫を凝らし、まるで一部分はへこんだように見えます。鋼板だからこそ小さなパンチングが出来て、こんな技が使えます。これがRC壁だったらこうはいきません。

それと向こう側の同じ空気の取り入れ口とのあいだに実はドアがあります。屋根面まで一杯一杯のドアで、壁面に同化してます。これも鋼板で等間隔に並ぶ目地があるから同化させる事が出来ます。この建物ではフードなど外部に付いて見苦しいものは一切ありません。建物一周ぐるりとまわってもどこにもありません。でもこれ位の規模の建物なるとどうしても空調の空気の出入り口は必要です。そこをフードを付けないでこんな素敵なデザインとしています。

その空調の穴と建具をこのように納めたいが為に、コンクリートの壁の上にあえて鋼板のパネル張りとしたのではないかと思いました。

これ一つ実現させるだけでも機械設備設計側や施工側、そして、もしかしたら施主側とも一体どれだけけんかした事か。どれだけ強い意思を持ってこの建物の設計に臨んだのか。ここはどちらかというと建物の裏手になります。しかしあまり人の目に留まらない部分であっても一切手を抜かない。この建物自体が美術品なのだから。・・・ただただスゴイ!

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富弘美術館

かねてより是非行ってみたいと思っていた富弘美術館へ行ってきました。富弘美術館は詩人、画家の星野富弘さんの作品展示する美術館ですが、我々建築関係者にとっては建物そのものが興味の対象です。この美術館は小さは村が国際コンペを行って、ネットを通じての呼びかけに世界中の建築家から大変な数の応募があり、その中からヨコミゾマコトさんが選ばれ5年前の2005年4月完成の美術館です。

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いって是非確認したかった事。屋根の排水がどうなっているのか。

この建物は全部の部屋が泡のような円形で、それらがくっついたり離れたりしてまとまっていて、それが一番外側で四角形にスパット切られています。

私たちは見ることが出来ませんが、高い位置から撮った写真(富弘美術館HP)を見ると、屋根はまるで模型のようにフラットで、色もついています。物の本によると屋根は中央が高く周辺に水勾配がついているとの事ですが、だとすると廻りの外壁に水が垂れて来ます。5年もたって汚くなっていないのかと思いましたが、外壁は綺麗でした。特に地面に近いところはどうかと思いましたが、それほどでもありません。ガラスも綺麗でした。普通の屋根防水はパラペットを立ち上げてドレン排水といろいろゴチャゴチャ着くのに、この建物はスッキリキリ。耐汚染性塗料の成果かなと勝手に思って来たしだい。

建物のそんなこんまい事ばかり見て来たわけではありません。もちろん、星野さんの絵と詞を堪能して来ました。というより、これは想像以上に引き込まれました。一緒に行った娘達も一点一点じっくり見て回っていました。
もしかしたら、今まで見た美術館で一番良かったかも(作品、建物含めて)。予定時間を遥かにオーバーしてしまいました。