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秋田市で耐震関係講習

昨日は建築士会主催の「すべての建築士のための総合研修・戸建て住宅の耐震技術と免震」という講習を受けて来ました。講師は秋田家倶楽部の仲間の西方さんと免震装置の会社の(株)IAU代表の北村二郎氏。温熱環境で西方さんなら講師というのは理解出来るが、耐震で西方さん?・・・と思ったが、おそらくテキストがあってそれにそった講習だろう。テキストは行かなきゃもらえないし免震にも興味があったので行ってきました。

震災前から地震発生確率の上昇と耐震基準の見直しなどについて建築技術という専門誌に論考をシリーズで発表してきて、そのシリーズのさなかに3.11の震災があった北村氏の講習では、現状の建築基準法の耐震基準を引き上げないといけないというものでした。そして、足下固定工法から足下フリーの工法へ転換することが今後発生するかもしれない巨大地震に対して有効であるということでした。
北村氏言うところの足下固定とは現在一般的な建築基準法に合わせて工事される木造住宅がすべてこれに当たります。鉄筋コンクリートの布基礎にアンカーボルトで上部構造をがっちり固定する物です。これに対して足下フリーとは日本の昔からの造りで石場建て造りといわれ、この地域の古い民家などでも見られる玉石の上に柱が乗っているものなどのことです。
石場建て造りについては日本の伝統工法を取り入れろと力説して来た構造家の増田一眞さんも(私の設計した高舘公園管理棟シェルターの構造は増田さんにお願いしました)進める構造でした。
そして、足下フリーでこれからの戸建て住宅の免震構造としてIAU型住宅用免震システムが紹介されました。

今日の新聞やTVのニュースでも東日本大震災の影響で地震の発生率が10倍以上上昇したと伝えられました。
しかし大館人は大館には大きな地震がほとんどこないと思っているふしがあります。たしかに今までの発生確率(平成21年7月21日公表)を見ると(こちら→http://www.jishin.go.jp/main/chousa/09_yosokuchizu/b1_tohoku.pdf)今後30年間震度6弱以上の発生確率は0%~3%です。だからといってなんの対策もしなくていいのか。
我々建築に携わるものとしてどのようにしていったらいいのか悩みます。今のところ免震構造はやはり高くてなかなか手が出せません。安全も金次第ということがないような手だてがあればと思います。
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新宮晋の彫刻

20日に行った宮城県美術館で新宮晋の動く彫刻を見ました。新宮晋の風で動く彫刻を最初に見た(写真だけど)のは六角鬼丈設計の雑創の森学園を建築雑誌で見て、今から20年以上も前だと思います。当時はその環境と建築そして動く彫刻が一体となった雑創の森学園に感激し、いつかはこんな幼稚園など設計してみたいなと思ったものでした。彫刻を見ながらそんなことを思い出しました。
残念ながら無名な私などに設計を依頼する奇特な依頼主などおらず、果たせないでいます。

何かの偶然なのか数週間前の日曜美術館でやった新宮晋を見てました。そのせいか妙な親近感を覚えました。

新宮晋 (時の旅人) 宮城県美術館
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フェルメールからのラプレター展

昨日は仙台市の宮城県美術館で表題の展示を見て来ました。沢山の人が来ていましたが、思ったほどではなく、結構じっくり見ることが出来ました。
フェルメールのは3点で、それ以外同時期のオランダの画家のものも合わせて40点ほどありましたが、どれもフェルメールに劣らず素晴らしい絵でした。

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耐震改修

新住協がすすめる断熱耐震同時改修というのがあります。国から最大200万円の補助が出るというもので、アトリエ105でも今年1件やりました。ただこの補助を受けるにはQ値が次世代省エネ以上(当地ではQ値1.9)以下、耐震性は上部構造評点が1以上を確保しなければならず、なかなかハードルが高いのです。築年数や家の状況、規模等によって、建替えたほうが安いのではと思うようなことにもなります。しかしそれは予算の問題で、その家に愛着があるとか、高齢者などで新しい家のような急激な変化はよくないというようなことがあって予算的に許されれば、取り組みたいところです。

現在改修の相談を受けている住宅の調査を先日行いました。大工さんにも手伝ってもらって床下や天井裏にもぐって、基礎の位置や土台や柱の状態、筋交いの位置などを調べました。
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写真は1階の天井裏で、左側の壁は2階の壁(外壁面)です。1階の天井面には断熱材(グラスウール)が敷き詰められています(全部ではありません)。左側の壁より左側は2階が乗った部分(1階の天井)になりますが、そちらには断熱材はありません。大工さんがいる部分には軒裏などから外気が沢山入って来ています。もちろん冬はかなり冷たい外気です。この空気は左側の壁や1階の天井下を冷やします。つまり、折角断熱材が入っていてもほとんど効果がないことになります。

気持ち的には先に書いた国から200万の補助金をもらえるだけの状態にもっていきたいところですが、規模や状況、クライアントの意向等で、とても残念ですが出来ないだろうと思います。

昨日の講習もヒントにしたくて出たわけです。断熱や耐震、そしてクライアントの要望に添った改修をどう進めようか日夜頭を悩ませています。

講習

昨日は某メーカーの某耐震部材の使用に関する講習がありました。こういう講習は大体が工務店向けで、実は当初私のほうへは案内が来ていませんでした。たまたま土曜日にばったりツタヤで会った某建設会社の方がその話をしてくださり、その方からの連絡で今回参加出来ました。

この耐震部材の使用は講習を受けた人しか出来ないということですが、なぜそのような縛りをつけるのか非常に疑問です。よほど特殊でしっかりと講習を受けないと性能を発揮出来ないようなものならば仕方がないとも思いますが、今回のは説明書さえあれば誰でも(大工さんならば)出来るようなシロモノです。国から認定をとるのにそのような指導があるのかもしれません。しかし、現実は講習を受けたほとんどの人は建設会社の現場担当員や工務店の社長、私のような設計者などです。実際にその部材を取付ける人ではありません。今回の部材は床や天井を壊さなくても内壁にボードを打ち付け、それを家の何ヶ所かに施工して家全体の耐震性を上げるというものです。どう考えても講習を受けた現場担当者や社長がその現場にびったりとついてすべてについて指導するとは思えません。つまり講習によって正確な施工を目指したとしても現実にはその成果は現れないことになります。
私は今回講習を受けたので、設計に織り込むことは出来るはずです。でも施工する側が受けていないとしたら、図面には描いても工事出来ないということにもなります。矛盾した話です。
だから、こんなわけの分からない縛りなどなくしたほうがいいと思うのですが。それよりも誰でも使えて安く出来るものを国でも推奨したほうがいいと思うのですが。
エコポイントに耐震性を上げると15万ポイント加算するというような話もあるぐらい、国としても全体の耐震性は上げるべきだと考えているはずなのに、ほんとおかしな世の中です。

講習でモデルに実際に取付けてみるという施工実習的なことも行われた。

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冬到来

2ヶ月ぶりのブログ更新になってしまいました。

いやな冬がとうとう来てしまいました。冬を楽しく!なんていいますが、年とともに嫌さ加減が増します。私、手の先や肩など冷え性でこれからの季節は結構大変です。特に手の先は指が冷たくて、パソコンに向かって図面を描くためにマウスを走らせると、風が当たって痛くなります。そんなスピードでマウスを動かしているの?と思われるでしょうが、そんなには早くなくても、指が敏感になってるせいか、ほんと痛いんです。事務所の温度をもっと上げれば良さそうなもんですが、現場に行ったり打合せに出かけたりと出入りが結構あるので、いない間もがんがん暖かくしているのもなんかもったいなくて、温度は低めです。それに1階にあるパネルヒーターだけで、2階の事務スペースも暖めているので、急激な温度変化は出来ないのです。ストープを付けて30分もすれば暖まるというのと違って、温度変化がじつにゆっくりなので、逆に言うといつでもそこそこ暖かいというか、それほど寒くはないという状態です。

今日の事務所の窓から見た風景です。道路に雪はありませんが、この風景を見ただけで寒くなりませんか。
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