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タイプスリップ

とある物件の資料としていただいたものに、航空写真というのがあって、よく見るとなんか変。あるべき道路や建物がない。一体いつの写真だよと思ったが、写真にはYahooの文字が。普段検索もブラウザの右上にあるGoogleになって久しいのでYahooのサイトを見ることがなくなっていた。まさかと思ってYahooの地図の写真を見てみると、頂いた写真と同じでビックリ! 

この写真。赤のところにあるはずの道路が無い。その他のこの付近のあるべき建物もいくつか無い。
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そこで、自分が設計した建物等があるかどうかで年代を特定してみたら、どうも2002年頃の航空写真らしいことが判明。

まさにタイプスリップです。・・・なんでも上書きされる世の中。貴重かも・・・でも役に立つのかなあこの写真。(大館付近だけかもしれませんが)

周知の事実とは思いましたが、個人的に楽しくなってしまって・・・

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常田健 土蔵のアトリエ美術館

13日に青森県浪岡にある、常田健 土蔵のアトリエ美術館へ行って来ました。数週間前の日曜美術館を見て、絵とアトリエに強く引かれました。テレビを見て初めて画家と美術館の存在を知りました。

美術館そのものは小さく、おそらくは地元の工務店が建てたと思われるような、およそ美術館らしくない平凡な建物です。中もこじんまりしていますが、テレビでも紹介された絵の他スケッチ等も展示され、見応えは十分でした。

これが美術館です。
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こちらが土蔵のアトリエです。美術館へはリンゴ畑の間を通って行きます。リンゴの花が咲き始めていました。
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アトリエの内部。(撮影許可を得て撮りました)沢山の描きかけの絵が置いてあり、筆等もそのままです。
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この椅子に常田健はいつも座っていたそうです。
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2階からアトリエを見たところ。手前の大きな絵が最後の絵だそうです。
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テレビで紹介されていましたが、常田健は絵を売ることはなく、いつでも手を加えていくため手元に置いておいたとのことですが、その描きかけともいえるような絵がアトリエには沢山ありました。アトリエは入った瞬間少々カビ臭かったのですが、その濃密な空間になんというか・・・魅せられました。

常田健の絵はとても独創的で、力強さと繊細さを併せ持っていて、その色使いや人の描き方など、私のお気に入りになりました。1枚欲しいぐらいですが、もちろん売られることはないだろうし、そもそも買えるお金もないのですが。

今回は突然予約もしないで行ったので、実は開館日ではなかったのですが、運良く別の方が予約していたらしく見れたのですが、時間があまりなく30分程度しか見れませんでした。毎月絵の入れ替えをしているそうですので、是非また行って見たい美術館です。








軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂

ペイネ美術館について、西方さんの事務所に似ていると書いたら、西方さんからコメントをいただいた。西方さんのブログへコメントを返そうとしたけど、削除用パスワードというのを入れないといけないようで、よく分らないので止めました。コメントと今日の西方さんのブログで、つまり、事務所を設計した時は特に意識していなかったと言うことですね。レーモンドの夏の家はコルビジェから盗作だと抗議を受けその後和解したいわくつきの建物で、シンプルモダンからはズレたところに意味があると思われ、そんなことも含んで、西方さんの事務所が似ているなあと思ったのかもしれません。

ところで、本題です。
ペイネ美術館の後に「石の教会 内村鑑三記念堂」を見ました。ガイドブックを見て面白そうな建物だなと思ったのです。行ってみてビックリ! とんでもない建物でした。日本の建築的な評価は全く無いようですが(ネットで検索しても、人気の結婚式場でしか出て来ません)個人的には、すげー!!建築でした。設計したのはアメリカの建築家 ケンドリック・ケロッグ。現代を代表するオーガニック建築家とのこと。初めて知りました。
見学者も一杯いて、外で待たせられて、案内係についてまとまっての見学で、ほとんどが結婚式場見学のようでした。

外からの外観。林の中で全体像が見えない。

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構造はRCのようだが、この斜めの状態でどうやってもっているのか。しかも間にはガラスだけ。ガラスに絶対負担はかけられない。ガラスのディテールも不思議。よく雨漏れしないもんだ。雪国なのに。

見学者の入口部分
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内部は例によって写真×。
内部空間も上からの光やサイドからの光と素材や空間の扱いが、小さいながらなんとも素敵な建物でした。


竜巻

6日に茨城県つくば市で起きた竜巻。またもや日本に想像を絶する自然災害をもたらしてしまいました。特に亡くなられた男子中学生の家はベタ基礎のコンクリート基礎全体ごと浮き上がってひっくり返っているようです。ありえない事態だとしか言いようがありません。よく基礎と土台を混同して報道されたりしますが、建築的には木造の場合基礎は地面から出ているコンクリートの部分をいい、土台はその上に乗って柱等を受けるための木材をいいます。基礎と土台はアンカーボルトで緊結されています。普通に考えれば強風にあおられて家が持ち上げられても、基礎と土台は残って柱から上が倒されると思うのですが、土台から上の上部構造に引っ張られて基礎コンクリートまで持ち上がってしまったということでしょうか。

 この家は新しい家なのではないでしょうか。平成12年の建築基準法改正以降ホールダウン金物といって一部の柱を基礎コンクリートと緊結するようになりました。そのアンカーボルトも通常の12mmより太い16mmを使いますので、より強固に土台から上の上部構造と基礎が繋がることになりました。また、土台と柱等も金物でつなぐようになりました。特に耐力面材を使うと外壁面全体と土台がしっかりとつなぐことになります。

日本では度重なる地震を体験しその都度建築基準法も改正され地震に強い家づくりがされるようになりました。昨年の東日本大震災で、津波の被害を受けなかった新しい家は地震ではそれほど被害を受けていないようでした。これは基準法の耐震性がいい方向で現れた例ではないでしょうか。しかし、その結果が予想もしないこのような形で現れたとしたら・・・追いかけても追いかけても自然の驚異はあざ笑うかのよう我々をにぺしゃんこにしてしまう・・・そんな感じすらします。

亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

軽井沢ペイネ美術館

3月24日に行った軽井沢の続きです。千住博美術館の次に行ったのが、ペイネ美術館。元は日本の建築に多大な影響を与えた建築家 アントニン・レーモンドの別荘(夏の家)だったのを移築したものだ。展示してあるのはフランスの画家レイモン・ペイネの作品。両者には関係は無いそうだ。

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この建物の外観の最も特徴的なV字型の屋根(バタフライ屋根というらしい)。内部ではこの高い方に2階があってスロープで上って行く。

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内部は屋根を支える梁などが丸太で、塗装も無く自然な感じ。外部の赤く塗ったモダンな感じとは随分違う。それと、全体としてかなり華奢な感じ。風が吹くと揺れた。建った1933年当時は地震などに対する耐力壁の重要性は今ほどではなく、筋交いなどはないのでと思った。内部の丸太の感じから、やはり日本を代表する建築家 故吉村順三さんを思った。展示のため開口部を閉じているので、オリジナルの内部空間を感じることが出来なかったのがちょっと残念。

ところで、「秋田家倶楽部」の仲間の能代の西方さんの事務所はこの夏の家のバタフライ屋根の片側を取った形のコピーではないかとにらんでいるんだが・・・違う??





実家の風景

4月29日は実家へお泊まりしました。姉が足を痛めて松葉杖生活になってしまって、高齢の母をかかえながらの生活は大変だろうと、少しでも楽をしてもらうため我が家で(・・特に娘達が!・・)夕食の支度をしてあげるためです。
久しぶりに実家の周りを朝散歩しました。
で、見つけたのがこれ!

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バス停 平日一日2本だけの運行!・・・・なんて田舎なんだ! 近くに花岡温泉があります。

周りを見渡せば、

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なかなかに素敵な景色です。なんの変哲も無い田舎の景色ですが、川と奥のほうに咲いている桜など、うわ〜〜っと感激するほどの景色ではないのですが、ちょうど桜も咲き始めていい感じです。(写真ではいい感じがイマイチですが)

反対側を見ると 

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川沿いの桜が、まだ咲き初めですが、綺麗です。奥に桜並木があって、その左側に中学校があります。そして手前の左側の平屋の倉庫みたいな建物が、私の設計した花岡平和記念館です。強く主張するデザインではなく風景にしっとりとなじむデザインにしたつもりですが、どうでしょう。