安藤忠雄講演会
22日は秋田市で行われた、エリアなかいちと新県立美術館暫定オープン記念の安藤忠雄講演会へ行って来ました。
安藤さんの講演は今から十年以上前に青森市であった講演を聞いて以来です。笑いを取るあたりはいかにも大阪人らしく、話も単純で分りやすく、偉大な建築からしからぬしゃべりでした。話のなかで新県立美術館について、現美術館を活かすよう進言したけど受け入れられなかったと言ってましたが、ほんとうにそうだと思うし、ますますなぜあそこに新しい美術館なのかがよくわかりません。美術館もなんか窮屈そうに建っているようにも見え、正直あんまり素敵な感じがしません。都市の中にある美術館としては、金沢21世紀美術館は公園(兼六園)の隣に建っていて、秋田と同じような環境ですが、あちらのほうが素敵に見えます(実物は見たこと無いですが)。
講演の後新美術館を見学しました。
安藤忠雄といえば打ちっぱなしのコンクリートですが、まさにその通りで、いやはやすごいの一言ですね。コンクリートのカタマリです。昔工事の施工側にもいた経験上、よくもこれだけの精度でこんなコンクリートを打てるものだと、そちらの方がビックリです。打ち放しコンクリートというのはベニアの型枠の中にドロドロのコンクリートを入れて乾いたら型枠をはずしてそのままというものですが(クリアの塗装などはしますが)うまくコンクリートが全体にまわっているかどうかは型枠を外すまでわからないし、ジャンカ(コンクリートがうまく入っていないで穴が開いた状態)があっても、もうどうにもならないので、施工者にとっては大変な仕事になります。逃げのまったくない一発勝負の厳しい工事なのです。安藤忠雄事務所が図面にどう描こうが、うまくいくかどうかは「天のみが知る」みたいなところがある仕上方法です。
それにしても、コンクリートは性質上縮んでくるので、通常は伸縮目地というのを数メートル置きに入れるのですが、全くありません。あるのは階の区切りの打継目地だけです。どうして必要なしで大丈夫なのか、それが知りたいです。
エントランス側からみた新美術館。コンクリートのカタマリ!

エントランスホールの螺旋階段。

ミュージアムラウンジ。外の水盤で建物下側を消して千秋公園を見せるというのはうまいと思う。ただ、コンパネの目地に合わせた窓の高さは1.8Mで低くて、ちょっと大きな人だと頭をぶつけるのではという不安。あとで、衝突防止の黄色いクッション材取付などということにならなければいいけれど。(そんなことは十分協議した上でのこの高さだとは思うが)

お隣の交流館から見た外観。2階床レベルの水盤は中から見た時に水しか見えないようになっているが、そのためは廻りから均一に水が流れ出るように、水の廻りの縁が完全水平で無くてはならない。これも大変な施工精度だ。また突き出た庇と外壁の納まりまでスッキリしている。

安藤さんの講演は今から十年以上前に青森市であった講演を聞いて以来です。笑いを取るあたりはいかにも大阪人らしく、話も単純で分りやすく、偉大な建築からしからぬしゃべりでした。話のなかで新県立美術館について、現美術館を活かすよう進言したけど受け入れられなかったと言ってましたが、ほんとうにそうだと思うし、ますますなぜあそこに新しい美術館なのかがよくわかりません。美術館もなんか窮屈そうに建っているようにも見え、正直あんまり素敵な感じがしません。都市の中にある美術館としては、金沢21世紀美術館は公園(兼六園)の隣に建っていて、秋田と同じような環境ですが、あちらのほうが素敵に見えます(実物は見たこと無いですが)。
講演の後新美術館を見学しました。
安藤忠雄といえば打ちっぱなしのコンクリートですが、まさにその通りで、いやはやすごいの一言ですね。コンクリートのカタマリです。昔工事の施工側にもいた経験上、よくもこれだけの精度でこんなコンクリートを打てるものだと、そちらの方がビックリです。打ち放しコンクリートというのはベニアの型枠の中にドロドロのコンクリートを入れて乾いたら型枠をはずしてそのままというものですが(クリアの塗装などはしますが)うまくコンクリートが全体にまわっているかどうかは型枠を外すまでわからないし、ジャンカ(コンクリートがうまく入っていないで穴が開いた状態)があっても、もうどうにもならないので、施工者にとっては大変な仕事になります。逃げのまったくない一発勝負の厳しい工事なのです。安藤忠雄事務所が図面にどう描こうが、うまくいくかどうかは「天のみが知る」みたいなところがある仕上方法です。
それにしても、コンクリートは性質上縮んでくるので、通常は伸縮目地というのを数メートル置きに入れるのですが、全くありません。あるのは階の区切りの打継目地だけです。どうして必要なしで大丈夫なのか、それが知りたいです。
エントランス側からみた新美術館。コンクリートのカタマリ!

エントランスホールの螺旋階段。

ミュージアムラウンジ。外の水盤で建物下側を消して千秋公園を見せるというのはうまいと思う。ただ、コンパネの目地に合わせた窓の高さは1.8Mで低くて、ちょっと大きな人だと頭をぶつけるのではという不安。あとで、衝突防止の黄色いクッション材取付などということにならなければいいけれど。(そんなことは十分協議した上でのこの高さだとは思うが)

お隣の交流館から見た外観。2階床レベルの水盤は中から見た時に水しか見えないようになっているが、そのためは廻りから均一に水が流れ出るように、水の廻りの縁が完全水平で無くてはならない。これも大変な施工精度だ。また突き出た庇と外壁の納まりまでスッキリしている。

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