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山形県金山町

9月26日、27日と私が事務局を務める「近くの山の気で家をつくる会・大館」のメンバーで山形県金山町の視察に行きました。金山町は今から30年も前に金山スギを使った金山型住宅で街づくりを始め、その姿勢が現在も続いているという非常に稀有な町です。私は今から20数年前にも大館市の市役所の方や建築士会のメンバーで行ったことがあり、その時に金山型住宅で100年かけて街づくりをすると聞いていましたが、その後どうなったかなあと思っていました。そして昨年仙台からの帰りに通ってみて、未だ続いていることにびっくりして、ぜひいろんな方に知ってもらいたいと思い、今回「近山の会」の研修旅行として計画しました。

ただ見るだけでなく、当時から現在までの状況を聞きたくて、少ないメンバーでしたが町役場の産業課の方にお願いして説明を受けました。

以下はその時にパワポの資料から。
現在の人口は6,200人(人口ピークは昭和25年 約10,300人)農林業を主要産業とする典型的な中山間地の農山村。
昭和59年に街並みづくり100年運動
昭和61年街並み景観条例制定
現在の交流人口(観光者数)約17万人

産業課の丹さんは金山は決して観光地ではないと話してました。確かにこれといった観光施設等があるわけではありません。にもかかわらず年間17万人もの人が来るという事実。

金山型住宅は、金山スギをを使った家づくりですが、伝統的な素材を使用した昔ながらの家づくりを提唱しています。外部に今風なサイディングなどは用いないで、スギと漆喰で仕上げることを基本としています。サイディングボードに塗装でそれ風に仕上げるのはダメかとの話もあるそうですが、ブレーンとなっている東京芸大の先生たちに絶対ダメだと言われているそうです。
つまり、現在の一般的な住宅はそれを形づくる材料のほとんどが中央のメーカーに依存しているのを、左官屋さんや建具屋さんといった地元の業者でつくることによって、一般的なハウスメーカー住宅では町内に落ちるお金は2割程度と予想されるが、金山型住宅では8割5分ほどが町内の業者に落ちると予想されるそうです。

その結果、昭和61年から平成27年までに景観助成金の支出状況を見ると、助成件数の累計が1,584件、助成金の累計が238,823千円、事業費の累計が93億を超えるとのこと。金山型住宅を作り続けてきた結果その93億の85%程度が地元に還元されたと思われるそうで、これこそが街づくりによる産業の活性化に結びついているそうです。

産業の活性化と街並みづくりが同時にできてしまう仕組みです。
現実的には現代の家づくりの気密性や断熱性なども考慮に入れないといけないので大変そうですが、町民の理解を得ながら進んで行っているようです。

はじめに町役場で産業課の丹さんから説明を受ける。
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典型的な金山型住宅の景観
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林寛治さんなどの建築家も関わっての街づくりなので、金山型でありながら素晴らしいデザインの建物も点在する。
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通りの整備も素晴らしい。町内を縦横無尽に流れる水路も景観に取り入れている。
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洗濯物干場

今日は秋晴れで清々しいですね。そんな日に見苦しいものをお見せしますが、我が家の洗濯物干し場です。

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この場所は階段を上がった2階の小さな廊下部分です。ルーフウインドウが目の前にあって、手すりの向こうは吹き抜けになっています。今日みたいな晴れた日は外に干せばいいのにと思われる方がいるでしょうが、この家を建てた直後から晴れた日も雨の日もこの場所を使用してきています。元々は洗濯物干し場とは考えていませんでした。

家ができて最初は外のベランダに干したのですが、なにぶんにも目の前には雑木林が広がっています。なので虫もたくさんいます。一番参ったのは蜘蛛です。時折小さな生まれたばかりの蜘蛛が軒天からザワザワ降りてきて、今は亡き妻が悲鳴をあげました。どうしようかと思って見つけたのがここでした。

ここは手の届くところに天窓(ルーフウインドウ)があって、下は吹き抜けているので、天窓を開けると下から天窓へ空気が抜けます。お日様も外みたいにあたります。冬は特に下から暖かい空気が上がってくるので、乾きも早く最高の場所です。ただやはり室内干し特有の匂いが、特に曇りや雨で湿気の多いときは気になるときがあります。

そこで最近は扇風機を利用して風を少し当てて乾きを早くしています。なんかのテレビで室内干し特有の匂いを防ぐ方法で扇風機をあてればいいと言っていたので試してます。でも前もそれほどひどい匂いというほどでもなかったので、いまのところ効果があるのかないのか?? です。

小坂渡ノ羽の家

小坂渡ノ羽の家のリビングです。

上の写真がリビング側から窓側を見たところ。三角に出ているのがわかると思います。右の大きな窓が南面で左の縦長の窓が東面です。天井についている大きなエアコンのようなのが地中熱ヒートポンプを使ったファンコイルです。エアコンとはちょっと違って冷空気が循環されるだけなので、除湿という点ではエアコンに軍配が上がります。

下の写真は窓側から奥をみたところ。階段の扱いが来た人に感心されるそうです。

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たつみの家

工事中の「たつみの家」は外壁の付加断熱工事とその上の透湿防水シート(タイベックシート3Mもの)が終わり、現在外壁材のボードを施工中です。「たつみの家」の外壁はスギ板と窯業系サイディングと鉄板立平葺きと3種で構成されていて、下地の方法がそれぞれ違うので、大工さんも間違わないよう何度も設計者に確認しながらの工事となっています。
写真の1階部分では下地が縦に入っていますが、ここはスギ板となり、2階部分は鉄板の立平となります、下地が縦だったり横だったりする理由はそのためです。

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小坂渡ノ羽の家

大館エコプラザの後に小坂まで行って、春に出来た「小坂渡ノ羽の家」へ行って来ました。こちらは写真は完成時撮っていたのですが、家具が入ってリビングの雰囲気が良くなっていたので、再度撮影しました。

小坂渡ノ羽の家は三角形に飛び出ているリビングに特徴があって、飛び出ている理由は敷地が南から45°程度振れていれ、三角に飛び出させることによって朝から午後までの日差しを取り入れるためでした。

この飛び出ている部分は平屋になっていて、軒を大きめに出しています。その効果があったようで、この夏リビングは涼しかったそうです。南の日差しは夏は真上から差すので軒があることによって日差しを防げるのです。

建主さんからは「来る人に褒められる」と、大変喜んでいただいているようでホッとしました。


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大館エコプラザ

今年5月からオープンした大館エコプラザ。アトリエ105で設計を担当させていただきました。設計はしましたが、監理は別の設計事務所なので、オープン記念の時は出席させていただきましたが、写真をとっていませんでした。昨日天気も良かったので写真を撮ってきました。・・・が、やはりこういった建物は完成直後に撮るもんだなあとつくづく思いました。
いろんな張り紙や、物や・・・内部は写すところがない!.。

建物は鉄骨造平屋建て。鉄骨造ですが外壁全面に秋田スギを張りました。塗装はウッドロングエコ。設計途中にパース(完成予想図)が新聞に載ったら、建材商社さんから木造にしたのかと言われました・・・。この建物は3R推進(リユース、リデュース、リサイクル)のための施設として設計した物なので、エコロジーを意識した建物であるべきと、木を使ったのですが、木の産地なのに本物の木を使う人が少ないので、外壁木イコール木造と思ったんでしょうね。

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