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階段

「上町の家」の階段造りが始まった。おそらくこの住宅で最もめんどうな部分だ。階段の段の巾に合わせて、厚さ6cm巾30cmの丸い穴を開けた無垢の杉の板が取りつくのだけど、この丸い穴の開いた6cm板がその上の2階の廊下部分の床も支えていて、階段の下ではその巾にあわせて収納の扉も付くため、精度と構造的な頑丈さも要求されるやっかいさだ。この穴の開いた板は無垢の杉板の為、多少反っていたり、節があったりして、穴を開けるだけでも相当大変だったらしい。設計する方は絵に描くだけだから簡単だろうが、作る方は大変だぞといつも言われる。でも、相当なお金を掛けて造られる、世界でただ一つの家のためにデザインされた世界でただ一つの階段があってもいいじゃない。
いままでも、いろいろ大工さんには面倒をかけてきた。苦労しても出来たものがよければ、造った大工さんも「いいな!」と言ってくれる。
この家は生活が2階で行われる。疲れて家に帰ってきて、薄暗い普通の階段だったらやれやれどっこいしょと上がらなければいけない。そこをなんとかしたかった。

下げ振りで通りをキッチリして。
段板はタモ集成材。蹴込み板(縦板)は杉
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段板と蹴込み板の取りつく部分を掘り込み。大工さんはナガタさん。
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何度も合わせては微調整する、アキラさん
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だんだん上がって行く。この階段はナガタさんとアキラさん二人で造って行く。
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コメント

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階段嫌いのくせに,2階で生活することを選んだ施主です。
どんな雰囲気になるのかと楽しみにしていた階段。
昇りやすい階段でした。
丸い穴が,手すりの代わりとして絶妙な間隔に
なっています。

・・・何年かしたら,手垢まみれになるのかなあ?
などと楽しい心配をしています。