fc2ブログ

断熱リフォーム

暦に合わせるように雪が降った。今朝も我家からの眺めは最高だった。
雑木林に雪がついて白く輝いていた。
20061201223540.jpg


寒さが一段と進むが、毎月のように送られてくるグラスウールメーカーのマグのレポートに新住協の会沢さんのコラムがあってその今月の分が「これまでの10年は何だったのか?」と題する断熱リフォームの話だった。新住協では以前にこの話は紹介されていたが、とてもいい話だと思うので紹介する。もちろん会沢さんの了解済みである。
H13年に山形の方から一通の手紙が届き、10年前に在来工法で家を建てたが寒くてどうにもならない。なんとかなるものかという内容だった。そして新住協の鎌田教授の監修のもと断熱リフォームに踏み切った。まず工事前の調査行ったが、その家では外壁に内側からウレタンを吹き付けていた。ウレタンを吹いたのだから暖かくなると言われたのだが、暖かくなかった。その原因は在来木造の造りにあって、床下の冷気が外壁のすき間や間仕切り壁を上がって天井まで抜けるためと分かった。
実はこのような状況は全くよくある話で、断熱や気密に無頓着な設計者や工務店にかかると断熱材を入れたから大丈夫ということになってしまう。せっかくお金をかけて断熱材をいれても、その効果が全くでなかったりする。筆者注釈
原因が分かり、対応策も見通しが付いたところで、鎌田研究室で次の実施項目を立てた
1、性能的な目標:気密性能2.0 熱損失係数2.0程度
2、暖房設備:現状のまま
3、開口部:使えるものは気密材を交換して使用し、シングルサッシは断熱サッシに変更
4、耐震性能も向上させる
5、住んだまま工事する。
6、解体廃棄物を極力抑える
工事は酒田市の新住協会員の三浦工務店が行うこととなった。三浦工務店は庄内地方の和風高断熱住宅の経験豊富なベテランであったし、親方棟梁として技術的にもいかようにも対応できる技量があった。
断熱の方法は外壁は既存のモルタル外壁はそのままにしてその外側に90mmのグラスウールを付加する。基礎は基礎外周に断熱。天井は桁上に合板で気密しブローイング250mmを吹く。サッシは前述の通り。ほとんど断熱サッシに交換となった。

結果はその家の方の手紙から
「我家の断熱改修工事ですが、ようやく完成しました。自分でも驚くぐらい立派な外観と、目的である暖かさも今のところ快適そのもので満足しております。同じ暖房機なのに10年間寒い寒いと言ってきたのが嘘のようです。費用がもう少し安かったら皆に勧めたいくらいです。‥‥以下省略」

この話ではリフォームしたのがH3年ということになるが、そのころだと東北地方では断熱性能の高い住宅が出始めた頃だと思う。だからこんな家はざらにある。我家はH7年に建てた。我家は地下室のFFストーブ1台で家中全部暖かい。新住協(当時は新在来と言った)に入って勉強した結果だ。
現在ではこの地方ではほとんどの工務店が高気密高断熱を謳っている。だがほとんどが断熱材メーカーやサッシメーカーなどのフランチャイズ的工法を取り入れているだけで、自分たちでその原理原則を学ぼうとはしていないようだ。新住協は原理原則だけを教えて後は自分で考えろ式で、だからこそこのような断熱リフォームにも対応できる。

設計者も工務店も選ぶところを間違わないように。

コメント

非公開コメント