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青森県からの視察

昨日は青森県の中南地域県民局 地域農林水産部の主催する県産スギ材活用推進研修会の一行が当「近くの山の木で家をつくる会・大館」の事例等を視察に訪れた。青森県でも如何にして県産のスギを工務店などに使ってもらうか、その方法について試行錯誤をしているらしい。そのため、先進地の情報をあつめていて当方の「ちかやま」が秋田県から紹介され、昨日工務店や設計者、製材所関係の方々を引き連れやってきた。中南地域とは弘前付近を言うらしい。

とりあえず、当方で設計した高館の管理棟を見ていただき、その後「ちかやま」のメンバーである直洋建設(株)さんの工事中の住宅を視察し、午後から直洋建設さんのスギを使うに至った経緯などの講演の後、意見交換会となった。

そのなかで青森県では青森ひば信仰があり、スギで家を建てるなんてこじきがするものだというような意識があるとの話があった。かなり極端な話しだけれど解らなくもない。

つい最近までこの秋田県だって、似たような話しだったと思う。この場合のスギとは造林スギのことである。僕が大館の設計事務所に入所した頃、今から25年ほど前は、秋田杉といえば天然杉(天スギ)のことをさしていた。その天スギは当時でもめちゃくちゃ高くて、それを知らない入所したての僕は県産材を使った方が良いだろうと、図面に「秋田杉」と描いた。そしたら先輩にとんでもないと言われ、ただ杉と描き直した記憶がある。

でもこの秋田県では天スギが基準で、だから無節の緻密で綺麗な柾目が造作材では当たり前で、節のある杉なんて使うもんではないという認識が一般的だった。だからかもしれないが、中身はなんだか解らない材料の表面に紙みたいに薄くスライスした天杉を貼付けた柱や敷居、鴨居などが出回り、それが今でも一般的に使われている。(今では天杉でなくて、造スギの無節部分かもしれないけど)
そして、節があったりする造スギをほとんど使わない工務店は今でも多く存在する。
これって青森県の話しと似ていないか?

でも今ここに来て、原油高などによって外材が値上がりし、ようやくいままで見向きもしなかった工務店も造スギにも目を向けてきたのが実情ではないだろうか。

だから、わざわざ青森県から先進地視察ということで来てくださったけど、意見交換会では実情を述べ合っただけに終わった気がする。

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