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火事2

火事とビニールクロスと死亡の因果関係が気になって、ネットで調べてみましたが、公的機関による明確な因果関係については確認出来ませんでした。自然素材を売りにしているハウスメーカーなどのホームページやブログにはビニールクロスは火災時に有害ガスを発生するので危険というような記述がみられます。実際のところはどうなんでしょうか。
いろいろなところで検証はされているんでしょうが、公には出せないのかもしれませんし、はっきりとした因果関係は見いだされないのかもしれません。
ただ、石膏ボードについては表面のビニールクロスは燃えてもボードは残るので有効だとの記述はありました。 →→→マンション火災の調査と復旧

大館で起きた昨日の火災も、6日の火災もどちらも近年増築が行われたようです。ということは壁や天井に石膏ボードにビニールクロスが使われていた可能性はあります。ただ昨日の家ではお年寄りの方が亡くなっていますので、そこが増築された部分かは不明ですので、なんとも言えませんが。

石膏ボードにビニールクロスが日本でこれほど使われるようになったのはやはり、便利で安価だからでしょう。それに建築基準法もかなり影響していると思います。
例えば外壁材の防火構造を得るのに内部に石膏ボードを使うように規定されている場合が多いのです。不燃材や準不燃材という記述ではなく石膏ボードと記述されています。石膏ボードを壁に使ったらそのままというわけにもいかず(アトリエ105で設計した住宅ではそのままというのもありましたが)必ず何らかの化粧をほどこします。それには壁紙が一番手っ取り早いのです。塗装だと下地のボードを相当キチンと施工しなければなりませんし、例えば何かの補強のために合板などを一部に使うと、そこのテクスチャーが変わってしまったりで全部同じようにするのに大変な手間がかかってしまいます。壁紙だと表面を覆い隠すので多少下地が悪くてもなんとかなります。そして、壁紙の中で圧倒的にビニールクロスが普及しているので(紙壁紙などもありますが)今家を建てたり、増築する場合には石膏ボードにビニールクロスとなるわけです。

別にビニールクロスが悪いと言う話しではないです。ただ、最近の火災では死者が多いように感じ、もし万が一自分の設計した建物で火災になってもせめて死者を出さない設計にしたいと思い調べてみました。

いづれ、現在の消防法では火災報知器の設置が義務づけられています。電池式で簡単の取り付けられそれほど高価な物でもありませんので是非設置することと、ストーブの上には洗濯物を干したり、近くに可燃性の物を置かないように気をつけることが必要だと思います。

アトリエ105ではこれまでも出来るだけビニールクロスは使わないような設計をしてきました。ただ、やはり予算などで使わざるを得ない場合もあります。それに自然素材系や塗装系は汚れなどに弱い場合もあり、将来改装する場合を考えてもクロス類は対応しやすいということもあります。今後も使用場所などを考えながら適材適所に材料を選定し火災にも強い建物づくりをしたいと思います。

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