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酒田市美術館

5月1日に続いて、3日は酒田市美術館へ行って来た。昨年6月に新住協のセミナーで行った時は運悪く休館日で見れなくて、是非見たいと思っていた美術館だ。設計は池原義郎。
天気も快晴で最高のドライブ、観光日和だった。
池原の設計は繊細で細かなディテールが絶妙だ。とにかく好きな建築家だ。最近建築はノンディテールといった感じでただ床があって壁があって天井があって、そのつなぎ目はズドンというかスパッというか何もないし、柱も丸く細い白いというのが主流で(というかセジマさん当たりからのハヤリ)それもいいけど池原さんのような美しいディテールや空間の取り方も、見逃してはいけない。
この美術館の後、酒田に来たら絶対外せない谷口吉生の土門記念館もまた見たが、行って見てつくづく酒田がうらやましい。

入口を入ってのアプローチ。
スギ型枠コンクリート出目地の壁の間をキャノピーの屋根の下エントランスに向かって進む。
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エントランス内部からアプローチを見返す。
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写真では表現出来ないが、外と中が一体となっている。

エントランスホール。
左手がアプローチ側。正面にガラスのスクリーンがあるが、あれが無かったら、ここも中外の境界がなくなるような造り、ディテールになっている。
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企画展は池田あきこさんの原画展だった。
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池田あきこさんの世界を堪能出来た。

ショップなどがあるホール。壁の向こうに一段低いガラス張りのコーナーがある。
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そのコーナーを見る。椅子に座って中庭側を見ると、正面にアイストップの作品があり、すばらしいロケーションだ。左側に鳥海山も見える。
ちょっとした仕切りもまさに池原ワールドだ。
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企画展示室から常設展示室へ向かう長いガラスの廊下。適度に壁があったり、折れ曲がったりしている。さまざまな扱いが心憎い。
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喫茶室からホール側を見返す。
この喫茶室一つとってもじつにうまい。
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外から美術館を見る。手前に突き出している部分が喫茶室。
木々もすべて実に絵になる。
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この後、例によって土門記念館へ向かった。
池原さんとはまた違った美しい建築だ。もう築二十数年にはなるのにまったく変わらず、凛として建っている。こちらはもう3回は見ているが、何度見てもすばらしい。
展示も膨大な土門の作品を入れ替わりで展示しているので、常に楽しめる。
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この酒田市美術館と土門記念館がある一体は、じつに良く整備され手入れされている。散歩するのにもってこいだ。つくづく酒田市がうらやましい。(しつこい!)

1日、3日と二日で四人の建築家の作品を見て(青森の国際芸術センターを含めて)それぞれあつかう美術品が違うが、じつに適材適所というか、作品と建築家が合っている気がした。十和田の現代アートにはイマの建築デザインのトップランナーとも言える西沢さんでピッタリだし、少々重い題材の土門拳には谷口さんで正解という感じ。これが逆だったらと考えると、???想像もつかない。(そりゃ無理な話なんですけど。土門記念館が出来た時は西沢さんはまだちっちゃかったはず)


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