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木が好き?

変なタイトルですが、日本人は木が好きなんだろうかと思う時があります。近ごろものすごい勢いで建てられている老人福祉関係施設などへ行くと、床や腰壁に木のような色彩のモノが使われています。殆どが木目の感じをプリントした塩ビシートを貼った床や、壁材です。建具も同様です。木の匂いもしなければ、木の柔らかさもありません。でもきっとこのほうが好まれるので、設計者としてはどうかと思いながらも、本物の木は傷は付きやすいし掃除などの管理も大変だろうから、やむなく使っているのだと思います。
このような施設を利用する人達も白い無機質な感じの空間よりも木のイメージが感じられる空間の方がきっと好むと思うのです。
つまり、木が好きなのではなく、木のイメージの色彩が好まれるとも言えそうです。
木のイメージの色彩とは茶系の色ですが、ベタッとしたペンキの単色でもありません。薄い茶系の色を基準としてそれより白っぽい色と、濃い色の筋があれば木目に感じられて、必ずしも木目でなくてもよさそうです。
つまり、そんな色彩が好きなのだと気付かされます。
いいや、本当は本物の木が好きなんだが、予算の都合で仕方がないんだ という方もいると思います。それもあるでしょう。
でもでも、です。最近の住宅を見ると殆どすべての建具や巾木などもこの塩ビシートを貼ったもので造っています。床はラワンの合板の表面1~2mmにさくらだとか楢だとかを貼って造った積層フローリングです。傷の付きにくい非常に堅いもので、木の匂いも吸湿性なども殆どありません。木には違いないのですが、では木が好きと言っているのは木の何が好きなのか、どうもあいまいになって来るように感じます。
やっぱり、「木の感じの色彩」が好きなんじゃないかと思ってしまいます。
皆さんはどうなんでしょうか?
俺は「木」が好きだな。だから、多少割れたり、反ったり、すき間が空いたり、捩れたりしても合板等ではなく無垢の木を使いたがる。ここ数年は厚さ4cmの杉の床が定番になってしまった。‥‥といいながら、クールでカッコいい住宅もポップで楽しい住宅も設計したい。
どっち方面でも楽しんで徹底するタイプだから、どんどん設計依頼していいよ!って結局宣伝でした。

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