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遮熱シートで思い出した

西方さんのブログに遮熱シートのことが書いてあり、過去の事例を出されていて、おうそういえば私にもあったと相乗りです。

写真は1987年の高橋歯科医院の工事中のものです。当時はまだこの辺では高気密高断熱の家なんてなく、ほとんど床、壁、天井とも10kgのグラスウール50mmという状況でした。当時の本(建築知識など)には北海道での高気密高断熱住宅が紹介されたり(現在の新住協の前身新在来だと思う)一方でキノコが生えたなんて記事を読んだりして、私なりに調べて外壁には透湿防水シートのジョシーツ、室内側には防湿シートのダンシーツという宇部の製品を使用しました。断熱材は床、壁、天井とも12kgの(当時の図面による。そんなのもあったんですね)グラスウールです。

外壁の銀色のがジョシーツ。透湿性と遮熱性があるのがうたい文句でした。
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室内壁面にダンシーツ。こちらは防湿性と遮熱性が売りでした。
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天井面も同じくダンシーツ。
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当時は基礎断熱も屋根断熱も全くわからず、床断熱と天井断熱です。勾配天井に上にグラスウールが乗ってます。

出来上がりがこれ
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当時私はまだ独立しておらず、ある設計事務所の所員でした。私の姉の友人の歯科医院+住宅ということで、すべて私が担当しました。残念ながら気密性についての認識は全くなく、床や天井の断熱材も少ない為に折角の高価なシートや断熱材がその性能を発揮しているとは言い難いといえます。西方さんのブログでは断熱性が高い建物では遮熱材は問題にならないとのことですが、もしかしたら断熱性の悪さを少しは遮熱シートでカバー・・・なんてことはあるのかないのかよく判りません。

ただ、ここには今の私を形づくったすべてがあります。その一つが2階のLDKの横に長い窓です。サッシではありません。木の建具にペアガラスと入れて、外壁の外側に引き込まれ全開放になる窓です。このディテールを描くのにも相当の時間を費やしました。

これがその窓です。巾約3Mの窓が開けるとすべてなくなります。
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高橋歯科医院は断熱気密の技術論としてはまったく未熟でしたが、建物としての完成度はあったと自負しています。そして大変大変たいへん喜ばれ、そのことが独立へとつながりました。

コメント

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鳥、ムゥと思いながら開いてみたら鳥潟さん、鳥なのだ。お互いキャリヤが積み重なったものだ。当時はまだ新住協の前身の新在協もなかったと思います。島崎さんと北国住環境研究会などと称し北海道や北欧の情報を仕入れていた。