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富弘美術館 2

富弘美術館の続きです。

内部はすべて円形の室ですが、外部は真四角です。外壁の素材も様々でガラスあり、石あり、木あり、鋼板ありと変化に富んでいます。それらがすべてシャープに納まってます。

下の写真のグレーの部分は機械室でRC(鉄筋コンクリート)のはずです。でもその上に鋼板を張って納めています。お金をかけてまでそうした理由は勝手な推理ですが、中央の黒ずんだところ。ここは空調の排気か給気の取り入れ口と思われますが、そこも超コダワリで小さな穴から少し大きな穴を開けています。その配列に工夫を凝らし、まるで一部分はへこんだように見えます。鋼板だからこそ小さなパンチングが出来て、こんな技が使えます。これがRC壁だったらこうはいきません。

それと向こう側の同じ空気の取り入れ口とのあいだに実はドアがあります。屋根面まで一杯一杯のドアで、壁面に同化してます。これも鋼板で等間隔に並ぶ目地があるから同化させる事が出来ます。この建物ではフードなど外部に付いて見苦しいものは一切ありません。建物一周ぐるりとまわってもどこにもありません。でもこれ位の規模の建物なるとどうしても空調の空気の出入り口は必要です。そこをフードを付けないでこんな素敵なデザインとしています。

その空調の穴と建具をこのように納めたいが為に、コンクリートの壁の上にあえて鋼板のパネル張りとしたのではないかと思いました。

これ一つ実現させるだけでも機械設備設計側や施工側、そして、もしかしたら施主側とも一体どれだけけんかした事か。どれだけ強い意思を持ってこの建物の設計に臨んだのか。ここはどちらかというと建物の裏手になります。しかしあまり人の目に留まらない部分であっても一切手を抜かない。この建物自体が美術品なのだから。・・・ただただスゴイ!

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