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積雪荷重と家屋の倒壊

今日地元紙から家屋の倒壊についての取材を受けました。今日の地元紙にも載ってましたが、最近大館市近辺で家屋の倒壊が多く発生しており、死亡者も出ています。今年は例年になく雪が多いことが原因であるのは間違いがないのですが、もしかしたらそればかりではなく、積雪荷重が建築基準法で決められた重量より重いのではと思ったりしています。

これは実際に測っていないので私見でしかありませんが、今年の北鹿地方は12月から根雪になり、長期間にわたって雪が屋根に乗った状態が続いています。住宅の場合下で暖房をたくと天井上の断熱性が悪いと屋根面の雪を溶かしますが、下に水となって流れる前に軒先で凍り、それが積み重なると屋根の雪の下の方はもう雪ではなく氷のように重くなってしまいます。それと長期にわたり降り積もる雪により圧雪されて通常より重くなっているのではないでしょうか。

建築基準法上は多雪地域(秋田県内は秋田市を除いて多雪地域です)では1平方メートルあたり1cm積もった雪で30ニュートンで計算することになっています。30ニュートンは約3Kgです。つまり屋根の上に1M(100cm)積もっていると300kg/1平方メートルとなり、100平方メートル(約30坪)の家だと、なんと30,000kg、つまり30tの雪が屋根に乗っていることになります。これに軒が出ているとさらにその分の面積の荷重も加わるので、大変な重量になります。

この1平方メートルあたり3kgのはずが、もっと重く3.5kgだったりすると、2割増しになってさらに危険になります。構造計算をしてしっかり造った建物でさえアウトということになります。

横手のある方が測ったら1Mの積雪で350kgあったという話も実際に聞きました。

また、倒壊に至っている建物はどちらかというと老朽家屋ではないでしょうか。古い家は雨漏りやスガモレ、結露などで野地板や垂木といった屋根の構造部材が傷んでいる場合もありますし、経年劣化で弱くなっていることもあると思います。また、物置や倉庫といった建物は、とにかく安く建てたいがためにあまり構造上頑丈に造られていない場合もあるかと思います。

取材ではなにか簡単に補強する方法はないものかと聞かれましたが、簡単な方法はちょっと見つかりません。
一番いいのは雪下ろしをすることです。全部下ろさなくても、半分程度でもいいと思います。

お年寄りの一人世帯などでは難しい話でしょうから、近所の若い人たちが協力して雪下ろしの体制をつくるなど
して、大事に至る前に雪下ろしをしてください。その際には安全ロープやヘルメットの着用でくれぐれも事故のないように。

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